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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなか、の、じけん

いなか、の、じけん

夢野 久作

Lesen Sie いなか、の、じけん von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.535 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

スウィートポテトー

巡査はガッカリして汗を拭き拭き、

「馬鹿めが。何もしないのに何でおれの姿を見て逃げた」

と怒鳴りつけると、その男も汗を拭き拭き、

「ハイ。泥棒と間違えられては大変と思いましたので……どうぞ御勘弁を……」

スウィートポテトー

心中のし損ねが村の駐在所に連れ込まれた……というのでみんな見に行った。

十燭の電燈に照らされた板張りの上の小さな火鉢に、消し炭が一パイに盛られている傍に、男と女が寄り添うようにして跼まって、濡れくたれた着物の袖を焙っている。どちらも都の者らしく、男は学生式のオールバックで、女は下町風の桃割れに結っていた。

硝子戸の外からのぞき込む人間の顔がふえて来るにつれて、二人はいよいよくっつき合って頭を下げた。

やがて四十四五に見える駐在巡査が、ドテラがけで悠然と出て来た。一パイ飲んだらしく、赤い顔をピカピカ光らして、二人の前の椅子にドッカリと腰をかけると、酔眼朦朧とした身体をグラグラさせながら、いろんな事を尋ねては帳面につけた。そのあげくにこう云った。

「つまりお前達二人はスウィートポテトーであったのじゃナ」

硝子戸の外の暗の中で二三人クスクスと笑った。