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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなか、の、じけん

いなか、の、じけん

夢野 久作

Lesen Sie いなか、の、じけん von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.535 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

兄貴の骨

おらが思うに西村さんは、やっぱり親孝行者じゃったのよ。それが性の悪い女に欺されて、大病人の母親を見すてたので、義理も恩もしらぬ近所隣りの乞食めらが、あとの世話を面倒がって、何とかかとかケチをつけて、無理往生に首を縊らせたのじゃないかと思うがナ……ドウジャエ……」

皆一時にシンとなった。

兄貴の骨

「お前の家の、一番西に当る軒先から、三尺離れた処を、誰にも知らせぬようにして掘って見よ。何尺下かわからぬが、石が一個埋もっている筈じゃ。その石を大切に祭れば、お前の女房の血の道は一と月経たぬうちに癒る。一年のうちには子供も出来る。二人ともまだ若いのじゃから……エーカナ……」

「ヘーッ」

と若い文作はひれ伏した。その向うには何でも適中るという評判の足萎え和尚さんが、丸々と肥った身体に、浴衣がけの大胡座で筮竹を斜に構えて、大きな眼玉を剥いていた。

その座布団の前に文作は、五十銭玉を一つ入れた状袋を、恐る恐る差し出して又ひれ伏した。するとその頭の上から、和尚の胴間声が雷のように響いて来た。

「しかし、早うせんと、病人の生命が無いぞ……」

「ヘーッ……」

と文作は今一度畳の上に額をすりつけると、フラフラになったような気もちで方丈を出た。