Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いなか、の、じけん

いなか、の、じけん

夢野 久作

Lesen Sie いなか、の、じけん von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.535 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

八幡まいり

一方に別荘はこの騒動のあった日から、門も雨戸もスッカリ閉め切って、空屋同然の姿になってしまったが、そのあくる日のこと……村の女房や守っ娘が四五人づれで、恐る恐る様子を見に行ってみると……雨戸の外の小松の蔭にブラ下がった底無しの籠の中に、いつの間にか赤い鳥が帰っていた。そうして昨日の残りの餌をつつきながら一生懸命で叫んでいた。

「馬鹿タレ……バカタレエ……バカタレバカタレバカタレバカタレバカタレエッ……」

八幡まいり

収穫が済んだあとの事であった。亭主の金作が朝早くから山芋掘りに行った留守に、あんまりお天気がいいので、女房のお米は家を閉め切って、子守女のお千代に当歳の女の児を負わせた三人連れで、村から一里ばかりあるH町の八幡宮に参詣した。

帰りかけたのは午後の一時頃であったが、お宮の裏の近道に新しく出来たお湯屋を見かけると、お米はチョット這入ってみたくなったので、誰も居ない番台の上に十銭玉を一つ投げ出して板の間に上った。眼を醒ましかけた子供に乳を飲まして寝かしつけて、ネンネコ袢纏に包んで、隅ッ子の衣類棚の下に置いて、活動のビラを見まわったりしながら、お千代と一所に湯に這入ったが、ちょうど人の来ない時分で、お湯が生温かったので、二人はいい気持になって、お湯の中でコクリコクリと居ねむりを初めた。