Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いなか、の、じけん
いなか、の、じけん
夢野 久作
Lesen Sie いなか、の、じけん von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.535 Zeichen · 78 Bildschirme
青白い糸のような身体に、髪毛をバラバラとふり乱して、眼の玉を真白に剥き出して、歯をギリギリと噛んで、まるで般若のようにスゴイ顔つきであったが、慌てて抱き止めようとする西村さんを突き飛ばすと、踊りを止めてボンヤリ突立っているハイカラ美人に、ヨロヨロとよろめきかかった。そのままシッカリと抱き付いて、眼の玉をギョロギョロさせながら、口を耳までアーンと開いて喰い付こうとした。それを西村さんが一生懸命に引き離して、ハイカラ美人の手を取りながら、自動車に乗ってドンドン逃げて行った。あとにはお母さんが片息になって倒れているのを、皆で介抱しているようであったが、離れた処から見ていた上に、言葉が普通と違っているので、どんな経緯なのかサッパリわからなかった……という子守女たちの報告であった。
「フーン。それは、わかり切っとるじゃないか」
と、聞いていた荒物屋の隠居は、新聞片手に子守女たちを見まわした。
「西村さんのお母さんが、そんな女は嫁にすることはならんと云うて、止めたまでの事じゃがナ」
子守女たちは、みんな妙な顔をした。何だかわかったような、わからぬようなアンバイで、張り合い抜けがしたように、荒物屋の店先から散って行った。