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Japanische Klassiker mit Furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme

Aozora Bunko

俺のほうがかえって慌て気味で、よいしょと身体をずりあげた。そのとき、運転台のバック・ミラーにひょいと俺は、俺にそそがれた運転手のけわしい眼を見た。言いかえると、俺の視線と運転手のそれとが小さな鏡のなかで、ぱっとぶつかって、全くそれは火花を散らした感じだったが、そう感じたときは、運転手の眼はもうそらされていた。と見た次の瞬間、またもやその鏡のなかから、強い火花が俺の眼をめがけて――あたかも銃口が火を吹いたすごさだった。

ふたたび視線があったのではない。眼つぶしを食わされた俺が、やがて眼を開いて鏡を見ると、そこには運転手のおでこの平凡な横じわが映っていた。こいつはなぜ俺に、あんなケッタイな眼をそそいだのだろう。誰の眼にもただちにオカマと分る男と一緒の俺を、ケッタイな奴だと単にそう思ったからか。その運転手に聞えよがしに俺はオカマに言った。

「おめえなんか殺したって、しょうがねえんだがな。ま、ひと寝入りするか」

そうね、寝てらっしゃいとでも言うかと思ったら、

「駄目よ。もうすぐだから……」

とオカマは言って、俺の腿をゆすぶった。

ほんとは、それほどすぐでもなかった。