Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
火がついたような泣き声は、こんなところに赤ん坊がいるのかという奇異感とダブって俺を驚かせたが、なーに、近くのダルマ舟の船頭の餓鬼なのだ。そうだとしても、それは俺の心に何らかの感慨を与えていいのだったが、俺はそれどころじゃなかったのだ。
キーキーと櫓のきしむ音とともにネフ(舟)は真黒な水の上を動いて行った。足音を忍ばせて、という言葉があるが、これはまさに櫓の音を忍ばせて、舟は出て行く。これではまるで俺は子供のころに読んだ黒岩涙香の探偵小説のなかの人物のようだった。悪漢に誘拐される哀れな犠牲者にそっくりだ。と思ったのは、恐怖のせいだけではない。少年用の探偵小説が頭に浮んだのは、子供だましのようなバカバカしさも、そこに感じられたからだ。
「おめえは一体なんだ」
背を丸めてうずくまったオカマに俺は言った。コケおどかしみたいな真似はやめねえか、そう言ってやろうとすると、
「こわくなったの?」
「逃げたくても、もう手遅れだと言いたいのか」
「いい度胸。素敵ね」
おお寒いとオカマは背広のえりを、着物みたいにぴったり合わせ、そのえりもとを左手だけでおさえて、右手を浮かせると、