Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おもかげ

おもかげ

山本 周五郎

Lesen Sie おもかげ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.242 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

まる顔で、からだつきのふっくりと匂やかな、声の美しいひとだった。「秋代さまの声を聞いていると春が来たようで――」とよくみんなが云っていた。正之助がいたずらをして叱られると、いつもすぐに来てお詫びをして下すったし、「武士の子にはふさわしくない――」と云う父にないしょで、いろいろな玩具を買って下すったこともある。どんなにあまえても、決してすげなくされることのない、やさしい叔母さまだった。けれども、そのとき仏壇の前にきちんと坐った叔母さまは、まるで人が違ったように思えた、言葉つきもきつかったし、正之助を見る眼もとにもなんとなく冷たい色があった。

「それから、これまでお稽古には多助に供をさせましたけれど、召使たちの手が足らなくなっていますから、これからはおひとりでおいでなさるのです」

「でもそれでは、ひら武士(身分の低い者)の子のようにみえますよ」

「あなたの心さえ正しく、しっかりとしていれば、他人にどうみえようと気にかけることはありません。さあ、もういちど仏壇へお香をおあげなさい」

叔母さまのようすがあまり違うので、正之助はなんだか悲しいような気持になり、お香をあげながらふとお母さまのことを思いだした。