Japanische Klassiker mit Furigana
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しじみがし
しじみ河岸
山本 周五郎
Lesen Sie しじみ河岸 (しじみがし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.438 Zeichen · 51 Bildschirme
「どうしてですか」
「どうしてかって」
「あたしは小森さんの旦那に残らず申上げましたし、卯之さんの下手人はあたしだって、ちゃんともうわかっているんですから、それでいい筈じゃないでしょうか」
「よく聞いてくれ」と彼は云った、「私たちの役目は、下手人を捕まえて仕置をすればいいというんじゃあない、まず誰がまちがいのない下手人であるかを押えることなんだ」
「ですからあたしが、慥かに自分でやったと」
「それなら訊こう、口書によるとおまえは夢中で卯之吉を刺したという」と彼は云った、「殺すつもりはなかったが、無理なことを云われたのでかっとなり、夢中で刺してしまったと云っているが、これは嘘か」
「――どうしてですか」
「おまえに訊いているんだ」と彼は云った、「夢中でやったというのは嘘で、初めから殺すつもりだったんじゃないのか」
「そんなことは決してありません、殺すつもりなんかあるわけがありません」
「それは慥かだね」彼は念を押した。
お絹は慥かですと答えた。
「では訊くが短刀はどうしたんだ」
お絹はぼんやりと彼を見あげた。
「あれは七夕の晩だった」と彼は云った、「それで卯之吉が呼びに来たんだろう、呼びに来られて出てゆくのに、なんの必要があって短刀なんぞ持っていったんだ」