Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
それそれ――今晩はわれらの手柄、これから一盃いけるちうものだ。
もう少し、きびしくいましめる、逃がしてはならん。
奉行所の白州へ引き立てたのである。吉野雀右衛門は、一切の経過を聞いてから、下僚と共に白州の正面へ着座して、声をあららかに訊問をはじめたが、なんと責めても怪漢は、一言も口を開かない。
拷問にかけえ。
これは、この頃の刑事部屋の風景と、ひどく彷彿としている。
怪漢の膝へ、重い大谷石を乗せて置いて、係りの廷丁が、太い撲り棒で、背中を滅多打ちに撲りつけた。ところが最後の一打が撲りどころが、いけなかったらしい。
うっ!
と、一唸り唸ると、脆くも怪漢は、身体がぐにゃりとなって、横倒れに倒れてしまった。同時に、呼吸が絶えた様子だ。
こら廷丁、少し打棒がはげし過ぎたぞ。
はい、ですが水をかければ、すぐ息を吹き返します。
手桶から、柄杓で頭へ水をかけた途端、十重、二十重に縛られたままの怪青年は、子牛ほども大きい魁然たる大狸に化けてしまった。実に、思いがけない出来ごとだ。
うへっ!
武士共は、顔色変えてうしろへ飛び退いた。雀右衛門の手は刀の柄を握った。