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Japanische Klassiker mit Furigana

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

工夫塩梅して腹を満たせ、という言葉は、まことによき思いつきである。私のように、脳のうとい者には、着想不可能であった。昔から、無い袖は振れないとか、いかに巧みな手品師でも種がなくてはどうにもならぬ。と、いう諺があるけれど、戦争となってみれば、無い袖も振らねばならないし、種がなくても、生活を続けねばならぬ。不平、不満はもってのほかじゃ。

果たして然らば、どんな身振り手真似で、無い袖をひらひらさせるかという難問に逢着するのであるが、人民の悉くが母乳を欲するように心から憧憬ているのは、人間味豊かな為政者の思いやりである。末端官吏の反対である。また指導者と呼ばれる人とか、統制事業に従う半官半商の人達の、思い上がりを棄てて貰うことだ。

人間同志、お互いに溢れるような思いやりをもってすれば、無い袖を振るのは、苦もなきことだ。種はなくとも、手品師はちゃんとやってみせる。

嫁にやってある私の娘は、幼な児を二人抱え、老姑と四人で、最近伊勢崎へ疎開してきた。嬰児を持てば、二人前のご飯を頂かないと、お乳が出ないものである。それに四、五歳の幼児でも、今は大人並みに食う。