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Japanische Klassiker mit Furigana

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

鱈であるのだ。太古、海中であった北満地方が地殻の変動で岡になったとき、海水と共に外洋へ逃げるのを忘れた鱈は、ついに山の渓流に取り遺されて、北満の淡水に陸封されることになったのである。顔や、からだが同じでも、鱈はやはり鱈で、北海道や樺太の海でとれる鱈と同じに、北満の鱈も鯰に化けたとはいえ、三本髭のまま、先祖の昔を偲んでいる。

この鯰鱈は、蒲鉾に作ると素敵においしい。私も一昨年、齋々哈爾へ旅したときこの蒲鉾をご馳走になったが、最初はなにを材料にしたものか知れぬほど、舌鼓をうったのである。日本でも、昔から鯰を蒲鉾にこしらえてきた。寛文年間の、高橋板の料理物語のなかにも鯰蒲鉾のことについて書いてあった。

鯰は、一年中いつでもおいしいのであるが、これから寒さが加わってくると、その味には次第に旨みを加えてくる。最もおいしいのは、そぎ身であろう。殊に、鰻と同じに胴から下方の尻尾に近い間が珍重されるのである。まず三枚におろして、包丁で薄く身をそぎ、それを冷水に浸けて揉み、酢味噌で頂戴すると、その淡白なにものにも比ぶべくもない。

蒲焼きもよい。脂肪をあまり好まぬ人には鰻の蒲焼きよりもこの方が舌に合うかも知れぬ。