Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

「私は、生来気永であって気短の人間であります」

と、答えたのである。あまり頓智に乏しい、人を愚にした答えであったけれど、その場合私として、これ以上の才覚が浮かばなかったのである。そこでもう、われながらこの人物試験は落第であると観念した。

「ああそうですか、分かりました。ちょっと待っていてください、入社していただくかどうかを直ぐご返事しますから、ちょっと待ってくださいよ」

こういって村上編集局長は応接間からそとへ出て行った。私は当てにしないで待っていた。待っていろというのに、挨拶もしないで帰るのは失礼であると思ったから、とにかく村上編集局長が、再び応接室へ現われるのを待っていた。すると、十分間もたたぬうちに、村上さんはひょこひょこと応接室へ入ってきた。

私は、諦めていたのであるが、それでもなんと村上さんはいうであろうと考えて、興味をもって村上さんの顔を見た。

「お待ちどうでした――それでは、明日から出社してください。えーと出勤時間は十時前後でよろしいでしょう。それで所属ですが、とりあえず社会部にして置きましょう。分かりましたね、明日からですよ。では、失礼」