Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
塩焼きが最もおいしいという評である。だが私は、二、三日焼き枯らして置いて煮びたしに煮あげるのを絶品といいたい。
蒸し焼きもよい、フライも結構、味噌田楽にも雅味がある。
関西では、四国の吉野川の山女魚が随一であるという。伊予と土佐の山境に吉野川の源流が潺峡をなしているが、友人がそこで釣った山女魚の濃淡を味あった。けれどやはり私はわが吾妻川の山女魚の味を凌ぐものではないと思った。
煮びたしの一片を口に含むと、舌から鼻に通う山女魚特有の濃淡な風趣、これは、いずれの魚肉にも、いずれの獣肉にもたとうべきものがない。
山女魚の風趣も魔味の一つに数えられると思う。戦局はいよいよ切迫してきた。しかし我々は、あまり神経質となってはいけない。あまりに、焦ってはならぬのだ。
身近の味覚に心を洗い、生命の最後まで、身神共に大いなる余裕を持っていねばならぬであろう。