Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
末筆ながら御報告申上げたきは、山菜と青果の栄養に育つ、わが子等の姿に御座候、未だ九歳と十一歳の幼年に候え共、男の児はやはり男の児に御座候、小生に似て、はや膚肉逞しく朝夕学校の余暇には、親に従い棧道に薪を背負い、段畠に耕土を掘り返し居り申候。この子等に腹の底まで故郷の素朴なる自然に親しませ、育ち上ぐるが小生の生涯の楽しみに有之候。
わが村は、二千六百有余年前、神武天皇大和国御討伐のみぎりの、御征路に候、一日も早く子供等を成人させ、神武天皇の御心に、従軍いたさせたく、大切にいつくしみ居り候、それに引き換え、小生は月日と共に老境を辿り、昔の俤は消え去り、まことに心細き態に候。阿阿。
まずは御無沙汰の御わびまで。敬具。
私はこの旧友の久し振りの手紙を、二度三度目誦した。友は南紀熊野の故郷に帰り住み、大自然の懐ろに抱かれ、心豊かに幸福に暮らしているらしい。
人間にとって、故郷ほど肌ざわりの滑らかな里はないのである。しかも友は、二人の子供の育成に、眼も鼻もなき喜びに耽っている状が書翰の文字の間に、彷彿として現われている。
子供と故郷のうるわしき野山、子供と鮮やかな草樹を着た大自然。