Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
特攻肉弾の勇士も出た。つまり言い換えれば、決死隊も特攻隊も、わが山川草木が生んだことになるであろう。
我々がわが上州に、尽きぬ愛敬と慕情を捧げると同じに越後の人は越後に、信州の人は信州に、紀州の人は紀州に、それぞれの土に血の脈を感じているのである。母国という言葉は、誰が作ったのか、さればこそ、大和民族のすべてが清いのだ。
さりながら私は、わが上毛の国を佳国中の佳国であると思っている。私は若い時から旅行が好きで、釣り竿一条を携えて、日本のあちこちを北へ南へ歩き回ってきた。昨年は夏から晩秋へかけて満州の東西南北を釣りめぐり、外蒙古境まで魚影を慕って旅したほどである。
釣りはさることながら、私は旅先でそこの風景に親しむのが好きである。旅先の雲のたたずまい、山の姿、草木の彩水の趣。それぞれの特色を見のがすまいとしてきた。
いずれの土地も、それぞれ秀でた風景に恵まれて、自然は温かく豊かに里人を抱いていた。そして私は、その土地の人情にも接した。食べものの味も、試みた。
けれど、東京は言わずもがな、どこの国でも、わが上州ほどよい国はない。と、感じてきたのである。