Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
わしはお前さんのわずらいが心配になるので、二、三日前横手山へ出かけて行って、曾祖父さんに相談してみた。一日も早く賢彌さんを相俣淵へ引き取って、岩魚を安心させてやりたいが、なんとかならぬものでしょうかといったところ、一言のもとにはねつけられた」
「それはご親切に――厚くお礼を申しあげます」
「お礼で痛み入る――ところで、嫁を貰い子供を儲けぬうちに賢彌を誘拐すれば、石坂家の系図はそこで絶えてしまう。もし、早まって強いて賢彌を誘い出すような不心得のことをやれば相俣の岩魚めはひと捻りに捻りつぶす。そのときは、貴公も同罪じゃから只では置かぬと曾祖父さんから大喝を喰ったようなわけじゃ。じゃが、条件さえ具備すれば、これは石坂家に伝わる運命じゃから貴公らが賢彌を煮て食おうと焼いて食おうと――」
「そうでしたか、では静かに時節のくるのを待つよりほかにいたし方ありませんね」
「そのとおり、そこでしばらく燃ゆる恋心を抑えて、身のわずらいを癒す思案でもするがよかろう」
「心を落ちつけます」
「そうでなければならぬこと。そして、からだを達者にして置いて恋人を迎えにゃなるまい」
「ほほ」