Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
相手が斃れるか、逃げ出すか。とにかく、そのままにして置けば、死線を越すまで体力と角とで搏ち合うのであるから素晴らしく豪儀である。激しい闘いになると、手に汗を握り、わが心臓が止まりはしないかと思うほど見物人は興奮するのである。
どうです、一度見物して置きませんか。決して、無駄ではないでしょう。
ふふむ、なるほど。
二
八犬伝といえば、少年のころ私は、夜更けるまで読み耽って母に叱られたことがある。その記憶を辿ってみると、あったあった。
強豪犬田小文吾が、毒婦舟虫を追って、古志国古小谷へ旅したとき、たまたま二十村郷の闘牛見物に行き、肩丈四尺七、八寸の虫齋村の須本太牛と、四尺六寸の逃入村の角連次牛とが角を合わせ、乱闘が死闘となり、ついに牛方の青年がこれを引き分けようとしたが、牛は暴れて人を突き、人を踏み、被害甚大。
見物人は蜘蛛の子を散らすように逃げだして、このまま捨て置けば幾人人間があやめられるか分からぬ危急の状景を示してきたので、小文吾は矢庭に闘牛場へ飛び下りた。そして荒れ狂う猛牛の間へ分け入り、むんずと両獣の角を、右手と左手に掴んで、えいとばかりに引き分けてしまったその剛力。