Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
そこでわれらは、まず長い割り竹で土管の尻から突いてみた。だが長い土管の途中に滞った物は、なかなか頑固に頑張っていて、竹の箆などでは突き抜けそうにない。結局、土管を全部掘り返して徹底的に掃除することに方針を定めたのである。
長い土管を三区に分けて三人で一区ずつ受け持ち、せっせと掘りはじめた。私は、正午頃までに受持分を掘り終わってしまったので、表通りの路傍の石に腰かけて一服やっていると、あば辰と樺太の二人が、にこにこしながら私のところへ走ってきた。あば辰は、右の手になにか握っている。
「おい新米、土管のなかからこんなものがでた」
こういって、あば辰は大きな掌を開いてみせた。私は、その掌を覗いた。掌の上に、金の総入歯がぴかぴか光っている。あば辰と樺太は、私を新米、新米と呼んでいた。
この総入歯は、よほど贅沢の人が作ったものと見えて、ふんだんに純金が使ってある。全部で、三、四匁は使用してあるかも知れない。当時、純金は一匁三円五十銭程度であったから、どんなに安く見積もっても、この総入歯は十円以上の価値はあろう。
「どこかの大家の隠居かも知れないな、湯尻へ落としてあきらめたのだろう」