Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
つまり、猫は殺され損になるでしょう。
とにかく、猫でも鼠でも鼬でも、蜻蛉でも蠅でも芋虫でも、食えるうちに食って置こうじゃないかということになり、老友は二、三日後を約して帰って行った。
昔から猫のことを『おしやます』という。おしやますとはどんなところから名が出たのか知らぬが、おしやますの吸物といえば、珍饌中の珍饌に数えられてある。また一名『岡ふぐ』ともいう。
二、三日後、老友は小風呂敷の包みを持ってやってきた。包みを解くと、竹の皮に家鶏の抱き肉のような白い半透明の肉が、一枚一枚ならべてある。
君、これは鶏の肉じゃないか、おしやますじゃあるまい。これでは、何の変哲もないのうと期待に反した文句をいうと、いやこれは、正真の猫肉じゃ。猫肉は、犬の肉のように闇赤色に濁って、下品ではない。恰も、若鶏の如くやわらかく白く澄み、風味たとうべからずであるから、食べてみてから文句をいい給え。
さようか、分かった。しかし若鶏の肉にも似ているが、鰒の刺身のようでもあるのう、貴公はもう試食済みか。いや、試食どころではない、常食にしちょる。猫肉は、精気を育み体欲を進め、血行を滑らかにすると、ある本に書いてあったから、先年来密かに用いたところ、なるほど本の通りであった。