Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

野に棲む鳥獣の肉は、土の香を持つのが特色であろう。

熊の肉を食って寝たその夜、ぽかぽかと五体がぬくもり床上に長く快夢を貪るのであった。

三

小説家伊藤永之介の書いた「熊」という戯曲を読んだことがある。描いたのは、出羽国鳥海山の麓の一寒村の出来ごとだ。三人の猟師が、一頭の大熊を獲ってきたのを高利貸、地主、滞納処分の役場吏員が取り囲んで、吹雪の吹き込む土間で、その処分についていがみ合う。昭和六年の東北地方の凶作の年の、哀れな農村の生活の姿が、詳さに書いてある。

処分について問題となっているのは熊の皮と胆嚢と肉とであるが、寒夜の高利貸らも村人も熊の肉には、ひどくよだれをたらしているらしい。それはともかく、凶作の年の猟師らには銃猟税など納められない。高値な火薬々玉など買う筈もないのだ。親から伝わった鉄砲も、すでに売り払って米に代わった。

鳥海山に熊がいる。それを獲って売って、米を買うことを考えたが、鉄砲のない猟師らは己の腕力に物をいわせる外に、手段はないのだ。一人の猟師は、古槍を携えた。も一人は、鉈を握って行った。も一人は、鋤を舁いだ。そして、大熊を刺し撲殺して麓の村のわが家へ持ち込んだのだ。