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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

儀助が将棋好きだったのである。敬吉は田舎初段であったが、おたかに言いふくめられて、三度に一度儀助に負けてやった。

もはや、ひとびとは義枝が儀助の後妻になるものと疑わなかったが、秋になると、儀助のところへ、江州から嫁が来た。平べったい器量のわるい顔のくせに、白粉をべたべたとぬり、けれども実科女学校を出ているということであった。

花嫁の自動車が来る時分になると、義枝は定枝や久枝と一しょにぞろぞろと見に行った。自動車が薬局の前に停ると、義枝の眼は駭いたように見ひらいて、一そう澄んだ青さをたたえた。浅黒いわりに肌面の細かい皮膚は、昂奮のあまりぽうっと紅潮して、清潔な感じがした。

帰って来ると、おたかは、

「しようむないもん見に行かんでもええ。阿呆やなあ」

と、にわかに熱が高まったようで、蒲団の中へもぐり込んだ。

ところが、ものの一時間も経たぬうちに、おたかは立ち上って、薬局へ祝いの酒肴など持って行き、夜おそくまで薬局の台所でこまごまと婚礼の手伝いをした。

そして、翌日から頭痛がすると言って、三日寝こんだのである。心配した義枝が買って来た薬の袋にミヤケ薬局とあるのを見て、おたかは理由もなく、泣いて義枝を叱ったということであった……。