Japanische Klassiker mit Furigana
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パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme
「私がかい」
「ええ、そうですのよ。でも、お怒りなすっては厭ですわ。私にはこの世の中にあなたの外には何にもないのです。それでいて、この頃は、どうかしたはずみで、ふとあなたが恐しくなるのです。あなたが本当に私を愛して下さるかが疑わしくなって来るのです。こんな不気味な島の、暗闇の中で、ひょっとして、あなたが、実はお前を愛していないのだなんて、おっしゃりはしないかと思うと、私はもう恐くて怖くて……」
「妙なことを云い出したね。お前はそれを今云わない方がいいのだよ。お前の心持は私にもよく分っているのだ。こんな暗闇の中でどうしたもんだ」
「だって、今丁度そんな気がし出したのですもの、多分私、あんな色々なものを見て、興奮してますのね。そして、いつもよりは思ったことが云える様な気持なのですわ。でも、あなたお怒りなさらないでね。ね」
「お前が私を疑っていることは、よく知っているよ」
千代子は、この廣介の口調にハッとして、突然口をつぐみました。不思議なことには、彼女はいつであったか、現実にか、或は夢の中でか、そっくりこの通りの情景を経験したことがある様に思われて来ました。