Japanische Klassiker mit Furigana
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パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme
それが証拠には、掌で鼻から上を隠したのと、鼻から下を隠したのとでは、まるで効果が違うのです。前の場合には、若しかすると人違いを仕兼ねませんけれど、後の場合では、すぐその人と分って了うのです。そこで、彼は先ず両眼を隠す為に色眼鏡を用いました。ところが、色眼鏡というものは、殆んど完全に目の表情を隠して呉れる代りには、それをかけている人に、何となくうさん臭い感じを与えるものです。この感じを消す為に、彼はガーゼを一方の目に当て、眼病患者を装いました。こうすれば、同時に又、眉や頬の一部を隠すことも出来て、一挙両得でもあるのです。それに、頭髪の恰好を極度に換え、服装を工夫すれば、もう七分通りは変装の目的を達することが出来たのですが、彼は更に念には念を入れて、ふくみ綿によって頬から顎の線を変え、つけ髭によって口の特徴を隠すことにしました。その上歩きっぷりでも換えることが出来たなら九分九厘人見廣介はなくなって了うのです。彼は変装については、日頃から一つの意見を持っていて、鬘や顔料を使用するなどは、手数がかかるばかりでなく、却って人目を惹く欠点があり、迚も実用に適しないけれど、こうした簡単な方法を用いるならば、日本人だって、まんざら変装出来ないものでもないと、信じていたのでした。