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Japanische Klassiker mit Furigana

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パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

当然彼女は一番熱心な看病人でしたが、その痒い所へ手のとどく看護振りから、亡き源三郎と彼女との間が、どの様に濃やかな愛情を以て結びつけられていたのかを十分推察することが出来るのです。それ丈けに、廣介としては、一種異様の不安を感じないではいられません。「この女に気をゆるしてはならない。恐らく、俺の事業に取って、最大の敵はこの女に相違ない」彼は、ある刹那には歯を食いしばる様にして、自分自身を戒めなければならなかったのです。

廣介は、源三郎としての彼女との初対面の光景を、其後長い間忘れることが出来ませんでした。経帷子姿の彼をのせた自動車が、菰田家の門前につくと、千代子は誰かに止められてでもいたのでしょう、門から外へはよう出ずに、余りの椿事に、寧ろ顛倒して了って、歯の根も合わずワクワクしながら、門内の長い敷石道を、やっぱり青くなった小間使達と一緒に、ウロウロと歩き廻っていたのですが、自動車の上の廣介を一目見ると、何故か一瞬間ハッと驚愕の表情を示し、(彼はそれを見て、どの様に胆を冷したことでしょう)それから、子供の様な泣顔になって、自動車が玄関につく迄の間を、無様な恰好で、車の扉によりかかって、引ずられる様に走ったのです。