Japanische Klassiker mit Furigana
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 一寸法師 (いっすんぼうし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.475 Zeichen · 194 Bildschirme
その時丁度死人の咽喉が現れ、そこの皮膚に不思議な黒痣が見えた。明かに指でつかんだ痕なのだ。
「これはきっと、頭の傷だけでは死に切らなかったので、指で縊り殺したのです」
異様な沈黙が来た。物慣れた警察の人々も、この前代未聞の残虐を正視するに堪えなかった。皆息をのんだ体で、部屋全体が一場の陰惨な活人画だった。赤茶けた電燈の光が、人々の半面を照らして、床や壁に、物の怪の様な影を投げていた。生きた人間共は、死んだ様に動かず、却て生なき人形共が、顔見合せてクスクスと笑っている様に見えた。
「すると、三千子が恋敵の小松をこんな目に逢せた訳だね」やっとしてから、田村氏が溜息と共にいった。
「そうだよ」流石の明智もいくらか青ざめていた。「犯罪の裏には恋だ。三千子と小松との蕗屋に対する恋、一寸法師の山野夫人に対する恋、この事件は凡て恋から出発している」
「だが、この人形の中へ塗りこめたのは」
「それは三千子じゃない。やっぱり一寸法師だ。そして、この安川という男も共犯者だ。僕が人形師を怪しいとにらんだのは、一寸法師が昨夜ここへ入るのを見届けたからでもあるが、もう一つは、一寸法師が普通の人間に化けていた、その継足があたり前の義足ではなくて、木でこしらえた人形の足だった。