Japanische Klassiker mit Furigana
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かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Lesen Sie 一房の葡萄 (かじとポチ) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 23.753 Zeichen · 48 Bildschirme
そうすると、橋本のおばさんが、上からいきなりその男の人に声をかけた。
「あなた帰っていらしったんですか……ひどくなりそうですね」
そうしたら、その乞食らしい人が、
「子どもさんたちがけんのんだから連れて来たよ。竹男さんだけはどこに行ったかどうも見えなんだ」
と妹や弟を軽々とかつぎ上げながらいった。なんだ。乞食じゃなかったんだ。橋本のおじさんだったんだ。ぼくはすっかりうれしくなってしまって、すぐ石段を上って行った。
「あら、竹男さんじゃありませんか」
と目早くぼくを見つけてくれたおばさんがいった。橋本さんの人たちは家じゅうでぼくたちを家の中に連れこんだ。家の中には燈火がかんかんとついて、真暗なところを長い間歩いていたぼくにはたいへんうれしかった。寒いだろうといった。葛湯をつくったり、丹前を着せたりしてくれた。そうしたらぼくはなんだか急に悲しくなった。家にはいってから泣きやんでいた妹たちも、ぼくがしくしく泣きだすといっしょになって大きな声を出しはじめた。
ぼくたちはその家の窓から、ぶるぶるふるえながら、自分の家の焼けるのを見て夜を明かした。ぼくたちをおくとすぐまた出かけて行った橋本のおじさんが、びっしょりぬれてどろだらけになって、人ちがいするほど顔がよごれて帰って来たころには、夜がすっかり明けはなれて、ぼくの家の