Japanische Klassiker mit Furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme
荷花公主
南昌に彭徳孚という秀才があった。色の白い面長な顔をした男であったが、ある時、銭塘にいる友人を訪ねて行って、昭慶寺という寺へ下宿していた。
その彭は、ある日西湖の縁を歩いていた。それは夏の夕方のことで、水の中では葉を捲いていた蓮の葉に涼しい風が吹いて、ぎらぎらする夕陽の光も冷たくなっていた。聖因寺の前へ行ったところで、中から若い眼のさめるような女が出てきた。十七八に見える碧い着物を着た手足の細そりした女で、一人の老婆が後からきていた。その女の眼はちらと彭の顔へきた。
「あなたは、何所からいらっしたのです」
彭が声をかけると女は恥かしそうに顔を赤らめたが、そのままその顔を老婆の方へやって、
「婆や、早く行きましょうよ」
と言ってからむこうのほうへ歩いた。彭は引きずられるように老婆の後から随いて行った。
すこし行くと女は斜に後ろを振り返って、老婆の横から彭を覗くようにした。女の気配に彭は顔をあげたが、その拍子に女の視線と視線が合った。女はきまり悪そうにあわてて前をむいて歩いた。
女の眼の色に親しみを見出した彭は、非常に気が強くなってそのまま随いて行ったが、女も老婆も不思議に足が早いので、路の曲っている所などでは、ときどき二人の姿を見失いそうになった。