Japanische Klassiker mit Furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme
竇氏
不意に陽がかげって頭の上へ覆をせられたような気がするので、南三復は騎っている驢から落ちないように注意しながら空を見た。空には灰汁をぶちまけたような雲がひろがって、それを地にして真黒な龍のような、また見ようによっては大蝙蝠のような雲がその中に飛び立つように動いていた。そのころの日和癖になっている驟雨がまた来そうであった。
南は新しい長裾を濡らしては困ると思った。南は鞭の代りに持っている羅宇の長い煙管を驢に加えた。其処は晋陽の郊外であった。晋陽の世家として知られているこの佻脱の青年は、その比妻君を歿くして独身の自由なうえに、金にもことを欠かないところから、毎日のように郊外にある別荘へ往来して、放縦な生活を楽しんでいた。
雨はもうぼろぼろ落ちてきた。こうした雨は何処かですこし休んでおれば通り過ぎる。何処か休む処はないかと思って眼をやった。其処は小さな聚落で家の周囲に楡の樹を植えた泥壁の農家が並んでいた。南は其処に庭のちょいと広い一軒の家を見つけた。自分でもその聚落のことを知っており、また聚落の者で自分の家を知らない者はないと思っている南はすこしも気を置くことなしにその門の中へ入って、驢から飛びおりるなり、それを傍の楡の樹に繋いでとかとか簷下へ往った。