Japanische Klassiker mit Furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme
「貴郎」
「お前か」
二人は手を取り合った。
「家がなくなっているが、どうしたのだ」
「家が焼けたものですから、雷峰塔の下へ移りました」
「そうか、ちっとも知らなかった」
二人は其所から舟を雇うて雷峰塔の下へ行った。雷峰塔の下には楼閣が簷を並べていた。
「此所ですよ」
二人は舟をあがって行った。朱の柱をした綺麗な室が二人を待っていた。女は迎えに出てきた婢に言いつけて酒の準備をさした。女はすこし離れている間に濃艶な女になっていて、元のようなおどおどした可憐な姿はなかった。女はまだ御馳走が終らないのに彭を連れて寝室へ入って行った。
女は彭に絡まりついて離れなかった。それがために彭は翌日体が起たなかった。女はすこしも傍を離れないで介抱をした。彭はそれが非常に厭わしかったがどうすることもできなかった。
たちまち帷をはねあげて入ってきた者があった。彭は驚いて重い眼を開けた。それは自分の傍にいる女とすこしも変らない女であった。入ってきた女は彭の傍へ寄るなりその背を撫でさすりながら泣いた。そして彭の枕頭にいる女に指をさして罵った。
「この悪魔、私の所夫をこんなにしておいて、まだひどいことをしようというのか」