Japanische Klassiker mit Furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme
燕児は女の子の手を握って密室へ入って往って、その襟に手をかけて笑った。
「おまえは、私を知らないの」
女は言った。
「知りません」
「苗字は何というの」
「葦といいます、父は徐城で醤油を売っておりました。歿くなって三年になります」
燕児は指を折って考えた。蓮香が歿くなってちょうど十四年になっている。またつくづくと女を見ると容貌から態度まで蓮香とそっくりであった。そこでその首筋を折って言った。
「蓮香姉さん、蓮香姉さん、十年して逢うと言った約束は嘘ではなかったのですね」
女はたちまち夢が醒めたようになって胸がひらけた。
「あ」
そこで燕児をつくづく見た。桑は笑って、
「これかつて相識るの燕帰来に似たり」
と晏殊の春恨詞の一節を口にした。すると女は泣いて言った。
「そうです、私の母が言ってました、私が生れた時、よく自分で蓮香ということを言ったものですから、不祥だといって、犬の血を飲ましたものですから解らないようになっておりましたが、今日夢の醒めたようになりました」
そこで共に前生の話をして、悲喜こもごもいたるという有様であった。寒食の日になって燕が言った。
「今日は、蓮香姉さんにおまいりをする日ですよ」