Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme
と、猩々は答えた。
「その危難のわけを言え」と、蒋はまた訊いた。
「この山の南二百余里のところに、天にそびゆる大きい巌穴がございます」と、猩々は言った。「そのなかに長さ数百尺の巴蛇が棲んで居ります。その眼はいなずまのごとく、その牙はつるぎの如くで、そこを通る象の一類はみな呑まれたり噬まれたりします。その難に遭うもの幾百、もはや逃げ隠れるすべもありません。あなたが弓矢を善くするのを存じて居りますので、どうぞ毒矢をもってかれを射殺して、われわれの患いを除いて下されば、かならず御恩報じをいたします」
象もまた地にひざまずいて、涙を雨のごとくに流した。
「御承知ならば、矢をたずさえてお乗り下さい」と、猩々はうながした。
蒋は矢に毒を塗って、象の背にまたがった。行けば果たして巌の下に二つの眼が輝いて、その光りは数百歩を射るのであった。
「あれが蛇の眼です」と、猩々は教えた。
それを見て、蒋も怒った。彼は得意の蹶張をこころみて、ひと矢で蛇の眼を射ると、象は彼を乗せたままで奔り避けた。やがて巌穴のなかでは雷の吼えるような声がして、大蛇は躍り出てのたうち廻ると、数里のあいだの木も草も皆その毒気に焼けるばかりであった。