Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme
その話を聴いて、円智も眉をひそめた。
「それはおそらく高位顕官の家のむすめか妾で、なにかの子細あって家出したものであろう。それをみだりに留めて置いては、なにかの連坐を受けないとも限らない。さりとて追い出すのも気の毒であると思うならば、おまえは今夜この寺に泊まって家へ戻らぬ方がよい。万一の場合には、わたしの留守の間に入り込んで来たのだといえば、申し訳は立つ。夜が明ければ、女はどこへか立ち去るに相違ないから、その時刻を見計らって帰ることにしなさい」
なるほどと徐四もうなずいて、その夜を善覚寺で明かすことにした。それで済めば無事であったが、外宿した徐四の兄は夜ふけの寒さに堪えかねて、わが家へ毛皮の衣を取りに帰ると、寝床の煖坑の下には男の沓がぬいである。見れば、男と女とが一つ衾に眠っている。さてはおれの留守の間に、妻と弟めが不義をはたらいたかと、彼は烈火の怒りに前後をかえりみず、腰に帯びている剣をぬいて、枕をならべている男と女の首をばたばたと斬り落した。
言うまでもなく、それは兄の思いちがいで、女はかの美少年であった。男は善覚寺の若僧であった。
高僧の弟子にも破戒のやからがあって、かの若僧は徐四の話を洩れ聴いて不埒の料簡を起したらしく、そっと寺ちゅうをぬけ出して徐四の留守宅へ忍び込んだのである。