Japanische Klassiker mit Furigana
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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第一巻 (あかくら) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.056 Zeichen · 223 Bildschirme
空は青、樹は緑と思って画をかいてはいけない。その点物理の研究と同じだよ。そういう先入主を離れて樹を見ると、樹は決して緑じゃない。陽の当っている所は黄色、蔭の所は青か赤だよ。緑はその間にちょっと出ているばかりなんだ。よく考えてみればそのはずだろう。そしてよく注意して見て、その色を大胆に使わぬと画にならぬ。シーツが白いと思って、白く描くとどうしても白く見えぬ。それでは描いたものになってしまう。本当の白いシーツは赤や黄で描いて初めて出せることが非常に多い。その積りで一度白いシーツを見てみ給え。きっと驚くから。
しかしそんなことにあまり拘泥すると美術学校の落第生のような画になってしまう。ところがまた全然そんなことを考えないと本当の画の面白さが分らない。そこがむつかしい処だよ。まあそれだけ見えるようになったら描くんだな。見えぬものを描いちゃいかん。腹にないことはせぬ方が良い。素人の画は何となく拙いが、嫌味がなくて風韻のあるのが良いので、何でもあまり上手になったら素人の芸はおしまいだね。
画ばかりでなく、音楽でも何でもそうだ。田丸先生がよく、昔ニウトン祭の時独唱をされたが、先生のは実に感服する。