Japanische Klassiker mit Furigana
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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第一巻 (あかくら) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.056 Zeichen · 223 Bildschirme
寅彦夏話
一 海坊主と人魂
一 海坊主と人魂
寅彦先生が亡くなられてから二度目の夏を迎えるが、自分は夏になると妙にしみじみと先生の亡くなられたことを感ずる。大学を出て直ぐに先生の助手として、夏休み中狭い裸のコンクリートの実験室の中で、三十度を越す炎暑に喘ぎながら、実験をしていた頃を思い出すためらしい。
先生は夏になると見違えるほど元気になられて、休み中も毎日のように実験室へ顔を出された。そしてビーカーに入れた紅茶を汚なさそうに飲みながら、二時間位実験とはとんでもなくかけはなれた話をしては帰って行かれた。
夏休みのある日のことであった。その日は何かの機縁で化物の話が出た。
僕も幽霊のいることだけは認める。しかしそれが電磁波の光を出すので眼に見えるとはどうも考えられない。幽霊写真というようなものもあるが、幽霊が銀の粒子に作用するような電磁波を出すので写真に写るという決論にはなかなかならないよ。幽霊写真位、御希望ならいつでも撮ってみせるがね。海坊主なんていうものも、あれは実際にあるものだよ、よく港口へきていくら漕いでも舟が動かなかったという話があるが、あれなんかは、上に真水の層があって、その下に濃い塩水の層があると、その不連続面の所で波が出来るためなんだ。