Japanische Klassiker mit Furigana
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あかくら
中谷宇吉郎集 第一巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第一巻 (あかくら) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.056 Zeichen · 223 Bildschirme
もっとも身体の真中に天保銭型の暗紫色の斑点があるので、それを描けばまとうだということは分るはずであるが、その環がまた妙に難かしい。皮膚の一部がそのように染っているのか、何か黒い環が載っているのかその区別がなかなか出来ない。よく見るとその環の周囲に余色らしい緑がかった黄色の隈取がある。この余色の隈取は色の対照からくる網膜の錯覚からも起る現象であるが、この場合にはそれではなくちゃんとまとうの皮の上に着いている色なのである。もっともこの二ツの現象には何か関係があるのかも知れないという気もする。冬彦先生だったらここで何か一つセオリーが出るところだろうがなと描きながらふと思ってみた。
まとうの次にはめばるを描いてみたが、これも大した傑作にもならず片付けてしまった。それから二、三日したら今度は魚屋が大変な難物を持ち込んできた。それはいとひきである。この魚は全体が平たくて、直線から成る五辺形をしている。頭と尾とが左右の角に当り、それを連ねる線から上に二辺、下に三辺がある。そして背鰭と腹の鰭の一部が伸びて身長の三倍近くも長い糸を曳いているのである。もっとも普通店先に出る時にはこの糸が邪魔になるので切ってしまってあることが多いそうである。