Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
それからお茶を――」
源十郎、これで気がついてみると、自分にはお茶も座蒲団も出ていない。
用人の代理といって札差し両口屋嘉右衛門の店へ来た諏訪栄三郎のようすを、それと知らずに、じっとこちらから見守っていた源十郎は、ふと眼が栄三郎が袖で隠すようにしている脇差の鐺へおちると、思わずはっとして眼をこすった。
平糸まき陣太刀づくり……ではないか!
とすれば?
もちろん、それは左膳の話に聞いた坤竜丸、すなわち夜泣きの刀の片割れに相違あるまい。
刀が刀をひいて、早くも、左膳につながる自分の眼に触れたのか――こう思うと、源十郎もさすがにうそ寒く感じて、しばし、
「どうすればよいか?」
と、とっさの途に迷ったが、すぐに、
「なに、左膳は左膳、俺は俺だ。もう少しこの青二才を見きわめて、その上で左膳へしらせるなりなんなりしても遅くはあるまい。それに、こんな男女郎の一束や二束、あえて左膳をわずらわさなくとも、おれ一人で、いや与吉ひとりで片づけてしまう」
ひとり胸に答えて、なおも、さりげなく眼を離さずにいると、そんなこととは知らないから、栄三郎はさっそく要談にとりかかる。
「用人の白木重兵衛が参るべきところであるが、生憎いろいろと用事が多いので、きょうは拙者が用人代りに来たのだ。