Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
「オオ、そうだったナ」振り向いた源十郎、「青山長者ヶ丸、子恋の森の片ほとりの一軒家」
夢中の人のごとくつぶやくのを聞くより早く、
「なあに、青山?」
左膳、それこそおっとり刀のいきおいで、それなりブウンと化物屋敷を駈け出した。と見るより、源十郎も速力を早める。
一は深川へ。
他は青山へ。
同時に走り出した源十郎と左膳。
だが、この会話とようすを、最初から庭のしげみに隠れて、立ち聞いていた大小ふたつの人かげがあった。
それが、いつもこのごろ、絶えず当家にはりこんでいる弥生と豆太郎……であろうとは?
「いやいや! 貴様がなんと申そうと、お艶、ではない、夢八が当家におるということは、拙者、しかと突きとめて参ったのだ。じゃませずと部屋へ通せ」
源十郎、やぐら下まつ川の上がり口に立ちはだかって、うすあばた面の顔をまっかに、こうどなり立てている。
よほど逆上しているものらしく、この色街にあって不粋もはなはだしいことは、源十郎が今にも抜かんず勢いで、刀の柄に手をかけているのだが、応対に出たまつ川の主人はいっこうに動じない。
「エ、なんでございますか、手前どもにはとんと合点が参りませんでございます。