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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼしぞう

久生十蘭短篇選

久生 十蘭

Lesen Sie 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.344 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

「よくわかった。お前がいま言ったことをこの紙に書くがいい」

「かしこまりました」

僕は助かりたいばかりにすぐ筆をとったが、肩を痛めているのではかばかしくいかなかった。しかしともかく書きあげた。泰文は誓紙をひったくると、腰刀を抜いて三度僕の胸に突き通し、死にゆくさまを立ったままで冷淡な眼つきで見おろしていたが、僕が布直衣の胸を血で染めてこときれると、白女のほうへ向いていった。

「こんどはお前の番だろうな」

「どうぞ命だけは」

白女が狂乱して叫んだ。

「いやいや、そういうわけにはいくまいよ。とんだところを見せものにして、主人の淫慾をそそるとは出来すぎたやつだ。この俺だって、そこまでのことはしないぞ」

そういうと、白女の垂れ髪を手首に巻きつけ、腰刀で咽喉を抉った。白女はむやみに血を出して死んだ。泰文は二つの死骸を芥捨場へ投げだし、裏門から野犬を入れて食わしてしまった。そうして置いて、その足で保平の部屋へ行って陽気に酒盛をはじめた。すさまじい絶叫や叱咤の声で、保平は事の成行を案じていたので、どうされることかと生きた空もなかったが、泰文は徹底的な上機嫌で、なにがあったかというような顔をしている。