Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Lesen Sie 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.344 Zeichen · 96 Bildschirme
二
恋の相手も、従ってまともな女どもでは気勢があがらない。大臣、参議の思いものや、夫婦仲のいい判官や府生の北ノ方、得度したばかりの尼君、というふうにむずかしければむずかしいほどいいので、これと見こんだら、尼寺の築泥も女院の安主も、泰文を食いとめることができない、かならず奇怪な手段で成功した。
二
泰文には、文雄、国吉、泰博、光麻呂の四人の息子と、葛木、花世という二人の娘があったが、頸居というお七夜の祝儀に立合っただけで、それぞれ奥の離屋へ捨ててしまった。子供というものは泰文にとっては、わけのわからない、手のかかる、人に迷惑をかけることを特権と心得ているうるさいやつで、男の子は学資をかけて大学寮を卒業させなければ七位ノ允にもなれず、女の子は女の子で、莫大な嫁資をつけなければ貰ってもらえぬという不経済極まる生物ぐらいにしか思っていなかったのだろうか、そういう勘定はぬきにして、自分のことで忙しすぎるので、子供のことなどはすっかり忘れてしまったのである。
朝霞が泰文のところへ輿入れしたのは十六の春で、十年のあいだに六人の子供を生んだ。朝霞がどういう顔立ちの婦人だったかわかっていない。