Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Lesen Sie 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.344 Zeichen · 96 Bildschirme
て自分と娘のすることを現在の継母にちくいち見物させるようなことまでした。
花世と公子にとっては、地獄にいるような思いがしたことだったろう。この世にあろうとも思えぬ畜道の穢にまみれるくらいなら、いっそ死んだほうがましだと、露見した場合の泰文の仕置を覚悟で、白川の邸で行われている、目もあてられないあさましい行態を日記にして上訴したが、泰文はそういうこともあろうかと抜け目なくそのほうへ手をうっていたので、上書は三度とも念入りに泰文の手元へ送りかえされた。泰文が腹をたてて花世と公子をどんなむごい目にあわせたか、想像するに難くないが、不幸な二人の女は、このうえ一日もこういう生活をつづけてゆくことに耐えられなくなり、どういう手を尽しても、この地獄からぬけだす方法がないことを承知すると、二人で話しあって、とうとう非常手段に及ぶ決心をしたのである。
邸で召次をつとめている犬養ノ善世という下部がいた。卯ノ花の汗袴を着て式台に這いつくばってとぼけているが、首筋に深く斬れこんだ太刀傷があり、手足も並々ならず筋張っていて、素性を洗いだせば、思いがけない経歴がとびだしそうな曰くありげな漢だった。