Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたつのじょぶん
二つの
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 二つの (ふたつのじょぶん) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.903 Zeichen · 236 Bildschirme
という温和な生活が又戻って来るように見えた。それから暫くの間、日記には病人の記載が無い。多分順調に快復されていたのであろう。そして一月三十日には、「夏羽子板と羽根を買ふ」までになったのであった。
このままで済めば、或は何事も無かったかもしれなかった。ところがここで「寺田寅彦」の生涯とその性格とに、重大な影響を残すような事件の発端が起った。それは夏子夫人の病気を極端に恐れた父君が、夫人を先生から引き離して療養させる案を立てたことに始まる。一月三十一日に夫人の父君が来訪して、「於夏の病気保養の為帰国しては如何との」相談があった。そして二月二日には、「医師来る 夏の帰国は海上気遣なるべしとの事」という風に、どんどん話が進められた。
この帰国は二月二十二日に決行された。それまでに二十日間の余裕があった。最愛の夫人を一人遠く高知にまで送られる先生の気持は、日記の中に「火鉢の上にて夏と指相撲」「昼より夏と浅草へ行く」というような文字となって残っている。そしてこの話の主題であるところの、植物園へ行って団栗を拾う話も、この間にあったことである。「昼より於夏を連れて植物園へ行く。