Japanische Klassiker mit Furigana
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にじゅうしんぞう
二重心臓
夢野 久作
Lesen Sie 二重心臓 (にじゅうしんぞう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.188 Zeichen · 129 Bildschirme
そこで……ヨシキタ……そんなら一番俺がコナシ付けてくれよう。俺の傍へ引付けておいたら、そう無暗に悪あがきも出来ないだろうというので、乾児たちの反対を押切って、立派な婚礼の式を挙げたものだそうですが、これが等々力親分の一生の身の過りでした。というのは、その若い奥さんの伝法肌というのが、若い女のチョットした虚栄心が生んだ浅智恵から来たものだったのでしょう。若親分から惚れられているなと思うと、早速亭主を馬鹿にしちゃって、主人の留守中に、何かしら近所の噂にかかるような事をしていたのでしょう。ですから、そんな事を聞き出した生蕃小僧はスッカリ喜んじゃったのですね。大胆にもオッチニの金モール服のまま、他所から帰って来る若親分を、町外れの草原で捕まえて面会したのだそうです。そうして奥さんの不行跡を自分一人が知っている事のように洗い泄い並べ立てて脅迫しながら、済まないがここのところを暫くの間、眼をつむってもらえまいか。稼ぎ高を山分けに致しますから……とか何とか厚顔ましい事を云って、柔らかく固く相談をしますと、不思議にも若親分が、青い顔をして暫く考えた後に、黙って承知したんだそうです。