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Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、そうして崩れてゆく地層のうえにある樹々は、どうしたことか直立したままである。攀縁性の蔓植物の緊密なしばりで、おそらく倒れずにそのまま辷るのだろう――と考えたが、それも瞬時に裏切られた。

水の噴出がみるみる土をあらって幹根があらわれる。やがて、数尺下の支根が露きでても……、まるで根ごと地上に浮きでて昇ってゆくような、奇怪な錯覚さえ感じてくるのだ。なんという樹か。その地底までも届くようなおそろしい根を、マヌエラは怪物のようにながめていた。この時耳もとで座間の声がした。

「おう、深井の根!」

それが、旧根樹という絶滅種ではないのか。根を二十身長も地下に張るというこのアフリカ種は、とうに黒奴時代の初期に滅びつつあったはずである。

と、見る見る視野がひらけた。

思いがけぬ崩壊が風をおこして、地上の濛気が裂けたのである。とたんに、三人がはっと息を窒めた。それまで、濛気に遮られてずっと続いていると思われた密林が、ここで陥没地に切り折れている。

悪魔の尿溜――。

と三人は眩くような亢奮に我を忘れた。陥没と、大湿林の天険がいかなる探検隊もよせつけぬといわれる、この大秘境の墻の端まできたのだ。