Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

それに、ここになお一層悪いことは、今度おのぶサンも探検隊について「冥路の国」へゆくということになっている。それは、鯨狼の給仕者という役。ではなぜ、鯨狼が探検に必要なのだろう※(疑問符感嘆符、1-8-77) というのは、棲息地の記憶だ。これは、あらゆる海獣を通じての顕著な習性で、どこで鯨狼が捕えられたかということを、観察しつつ知ろうというのだ。

してみると、おのぶサンとは当分離れられぬわけ。それを思うと、ゲンナリしてしまう。

だが、折竹は神様ではない。もし神様ならばこう頻繁におのぶサンがくる理由を覚らなければならない。なにか、おのぶサンには惚れた腫れた以外に、折竹に言いたいことがあるらしい。で、これは、ニューヨークを去る出発の前夜のこと。

その晩、昨日は来ないからやって来るなと思っていると、案の定、扉を叩く音がする。彼は、それを聞くとぞくっとなって来て、寝室に入りそっと息を凝らしていた。すると、

「折竹さん、いないんですの」と声がする。帰るだろう、黙っていりゃ行ってしまうだろう――と、思うがなかなか去る気配がない。そのうち、扉のしたからスウッと白いものが……。