Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうえんのはなとどくが

公園の花と毒蛾

小川 未明

Lesen Sie 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 18.574 Zeichen · 38 Bildschirme

Aozora Bunko

十一

花は、頭をあげて、そばに立っている、電燈の光を見ますと、蛾が幾つも止まっているのでした。

十一

花は、たちまちのうちに、無数の黄色な蛾が飛んできたのを見ました。どの木の葉にも、またどの草の葉にも、蛾が止まっていました。ちょうど花びらの降りかかったように見えたのです。

急に、さわさわという音がして、燈火の光がうす暗くなったと思って、立っている電燈の方を見ると、幾百、幾千となく蛾が火を目がけて襲ったのです。そのために、光をさえぎったので、中には、ガラスに頭を打ちつけて、下に落ちる蛾や、火のまわりを、すきもあろうかと、羽ばたきをしながらまわるのや、いろいろありました。このとき、あちらに立っている電燈を見ても、同じような光景でありました。そして、羽の白い粉が、火の周囲の空間を、光ったちりのまかれたように散っているのでした。花は、いま蛾のいったことを思い出して、蛾の仲間が、ようやくここへやってきたのだと知りました。

この都会の火を消すために、蛾が襲ってきたのです。とこなつの花は、このたくさんな数えきれないほどの黄色の蛾が、いずれも二つのくるくるとした、円い人間の目のような目を持ち、長いひげと大きな口を持っているかと思うと、ぞっとするほど、恐怖を覚えたのです。