Japanische Klassiker mit Furigana
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なんぼく
南北
横光 利一
Lesen Sie 南北 (なんぼく) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.591 Zeichen · 40 Bildschirme
」
「ひちくどい! もうええわして。」
「云うとこまで云わにゃことが分るかい。勘を呼んで来い、勘を。」
「姉やん、もうこうなったら本当にきりがないでな。姉やんとこ今晩ひと晩、安次を置いといてやっとくれ。」
「そんな鳥黐桶へ足突っこむようなこと、わしらかなわんわ。」とお霜は云った。
「ひと晩でええわ。そしたら明日どこぞへ小屋建てよう、清溝の柿の木の横へでも、藁でちょっと建てりゃわけやないわして、半日で建つがな。」
「それでもお前、十五六円やそこらかかろがな?」
「その位はそりゃかかるわさ。そやけど瓦のかけらでもあろまいし、藁ばっかしで建てたら後が何なと間に合うがな、なア、そうしようまいか?」
「藁かて二三十束も要るやないか。」
「そんなもの、高が知れてるわして。あんな安次みたいな者を世話しといたら、功徳になるぞな。」
「ひんなかで建つやろか?」
「そればっかしにかかりゃ半日で建つやろまいか。皆で建てよまいか。そしたら私ゃお粥位毎日運んでやるし、姉やんとこ抛っときゃええわ。」
「そうしようか、藁三十束で足るかお前?」
「足るとも。三畳敷位の小っちゃいのでけっこうやさ。それで安次も一生落ちつけるのや、有難いもんやないか。