Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

なんぼく

南北

横光 利一

Lesen Sie 南北 (なんぼく) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.591 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

十二

あの蒲団かて手織やが、まだそんねに着やせんのやぞ。お前ら碌なことしやせんのや。」

「好きで誰が連れて来る!」と息子は強く云った。お霜は何ぜ息子が怒り出したのかを疑いながら、

「お前が要らんことせなんだら誰が来るぞ!」と云い返した。

「済んでから、ごてごて云うな!」

「云う云う。お前の阿呆にもあきれるわ。」

「勝手に饒舌ってよ!」

「要らんことばっかしてな。お前ら自家の財産減らすことより考えやせんのや。」

「安次の一疋やそこら何んじゃ。それに組へのこのこ出かけていって恰好の悪いこと知らんのか!」

「何を云うのや、お前!」

お霜は勘次をじっと見た。

「しぶったれ!」勘次は小屋の外へ出ていった。

お霜は何ぜ勘次が怒るのか全く分らなかった。が、自分の吝嗇の一事として、曽て勘次を想わない念から出たことがあっただろうか? 彼女は追っ馳けていって自分の悩ましさを尽く勘次に投げかけてやりたくなった。すると涙が溢れて来た。

十二

お霜が安次の小屋へ行ってみたとき、もう組の人達は帰っていた。

「厄介ばっかしかけて、ほんまにすまんこっちゃ。」

安次はお霜を見ると弱々しい声で云った。お霜は彼の声からいかにも有難そうな気持を感じると初めて愉快になって来た。