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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんぼく

南北

横光 利一

Lesen Sie 南北 (なんぼく) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.591 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

「ぬかしてよ! 俺とこが恩受けてるのは、手前とこの親父にじゃ。」

「わしがいなんだら、誰がお前らに恩を施すぞ!」

「恩恩って、大っきな声でぬかすな! 手前とこが有るばっかしで、俺とこまで穢しやがって、そんな恩施しなら、いつなと持っていけ!」

勘次は怒りのために慄え出した。と、彼は黙って秋三の顔を横から殴打った。秋三は蹌踉めいた。が、背面の藁戸を掴んで踏み停ると、

「何さらす。」と叫んで振り返った。

再び勘次は横さまに拳を振った。秋三は飛びかかった。と忽ち二人は襟を握って、無数の釘を打ち込むように打ち合った。ばたりと止めて組み合った。母親達は叫びを上げた。彼女達は、夫々自分の息子を引き放そうとした。が、二人の塊りは無言のまま微かな唸りを吐きつつ突き立って、鈍い振子のように暫く左右に揺れていた。

「此の餓鬼めッ。」

「くそったれッ。」

勘次の身体は秋三を抱きながら、どっと後の棺を倒して蒲団の上へ顛覆した。安次の半身は棺から俯伏に飛び出した。四つの足は跳ね合った。安次の死体は二人に蹴りつけられる度毎に、へし折れた両手を振って身を踊らせた。と、間もなく、二人は爆ぜた栗のように飛び上った。