Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「その時の女子衆は、このお嬢さんよりも、二つ、三つ齢上で――」
「矢張り、この方の、姉さんかいな」
「そうでもないが――そして、その坊さんの居なさるところは?」
「根本中堂の上やで――」
「いつ頃、登って行ったかのう」
「さあ、もう、一刻になろうか」
と、爺が、考えて、陽ざしを見ていたが
「五つ半下り頃かの、婆さん」
「そんなものかのう」
「もう、四つ半に近いから――」
深雪は、心を顫わせていた。
(月丸が、何んのために)
そう思って、この、同じ道に、姉を殺し、母を殺した対手がいる、と思うと、身体が引きしまってきて、冷たくなって行くようであった。庄吉は
(顔は知らねえが、逢えば判るだろう)
と、思って
(逢ったなら――)
逢った時のことを想像すると、死物狂いに突きかかりながら、月丸の物に斬られる自分の姿。そして、それと同じように、血塗れになって悶えて転がっている深雪の姿が、眼にあった。
(ほんの一寸、深雪と、二人きりになれたと思や――一体、運がいいってのか、悪いってのか、月丸が、この山に登っているなんて、何んかの引合せだ――八郎太様の、御手引だ――やっつけろ。ぶつかりゃあ、それまでだ)