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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

、常、日頃よりお前達を頼みにしていることが、未だ得心行っていないのか? 天下のために、わしのために働かなくてはならぬぞ、というわしの言葉を、何んと聞いていた? もし、軽挙妄動をして、父上から、血判した奴等悉く切腹させいと、命ぜられたなら、今まで、わしが、お前達を育ててきたことが、根こそぎ、潰れてしまうということが、判らぬか? お前達が、死んだなら、島津の家に誰がいる?」

「然し――」

呼吸のつまるような声で、吉之助が、云った。

「何んじゃ?」

「はっ」

「申してみい」

「はっ――手前達、五十人、百人集まりますよりも、お上御一人の方が、日本のために、天下のために――何れだけお役に立ちますか? そのお上に、仇を致します奸人共を討つに、吾等の十人、二十人、物の数では、ござりませぬ――」

「大間違い」

と、斉彬が、云った。

「はい」

「それは、違う、大きに違う」

四人が、俯向いて、膝へ手を置いた時、襖の外で

「坪井芳州、参上仕りましてございます」

「許す」

吉之助は、斉彬のその声に、顔を上げて

「お上は、お身体が、お悪うござりますか」

「少うし――」

そう云って、吉之助へ微笑した斉彬の顔には、熱の高そうな眼の濁りと、うるみとが、あった。